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志賀耕太「SIDE GAME」
2024.10.18(金)-2025.01.25(土)
Photo: Shinichi Ichikawa
志賀耕太「SIDE GAME」
マイナビアートスクエア(略称:MASQ)は、2024年10月18日(金)から2025年1月25日(土)まで、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2024 マイナビ ART AWARD」にて最優秀賞を受賞したアーティスト志賀耕太による個展「SIDE GAME」を開催します。
志賀耕太は、東京を拠点に、道具や空間、社会がもたらす規則を遊戯的に流用することで、“都市の物語”をシニカルにとらえるようなショートフィルム、パフォーマンスビデオを制作してきました。
本展では、「遊びの歴史」をテーマに、志賀の制作の根幹となる「遊び」と、日本の近現代史、戦後史が交錯する新作の映像インスタレーションを発表します。
1945年の終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の占領下だった球場を舞台として、繰り広げられる一人遊びによって公私の関係を探る『ステートサイド・ゲーム』。そして、1600年代の鎖国下に長崎・出島で広まったビリヤードやバドミントンをモチーフに、遊び道具が兵器として利用される今日の世界で、国家や家族のあり方を問う『鎖国兵器』。
会場では、この2作のレクチャー・パフォーマンス・ビデオを中心に、写真、オブジェ、テキストなどさまざまな要素が構成、展示されます。
歴史の一部をフィクションとして現代に構築し、「遊び」を通じて世界をモンタージュすることで、志賀は今を捉え直し、新たな物語へと昇華させます。
実施概要
志賀耕太「SIDE GAME」
2024年10月18日(金)〜2025年1月25日(土)
・オープニングレセプション | 10月18日(金) 18:00 – 20:00
※オープニングレセプションはどなたでもご入場頂けます。ぜひご来場ください。
・トークイベントを開催予定です。
※詳細情報はマイナビアートスクエアのウェブサイト・SNSにて発信いたします。
11:00〜18:00
日・月・祝
※年末年始(12月26日から翌年1月6日まで)
その他、臨時休館・臨時開館あり
無料
作家紹介
志賀 耕太
1998年東京生まれ。東京を拠点に、空間や道具の規則を流用し、「遊ぶ」ことで、現代の都市を捉え直すようなショートフィルム、パフォーマンスビデオを制作している。また、映画や出版の企画をコレクティブ tatazumiとして行っている。
略歴
1998 東京都生まれ
2017 東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科 入学
2021 東京藝術大学 大学院 美術研究科 油画 入学
2023 東京藝術大学 大学院 博士後期課程 在籍
展示(個展・グループ展)
2022 「YAU TEN」(有楽町ビル)
2022 「窓辺のキメラ」(小金井アートスポットシャトー 2F)
2021 「ゆうれいたちのソウマトウ」(東京藝術大学陳列館)
2021 「東京藝術大学 卒業修了作品展」(東京都美術館)
2020 「写真新世紀2020」(東京都写真美術館)
2020 「沈黙」(目黒区美術館区民ギャラリー)
主な受賞
2024 ARTIST’S FAIR KYOTO 2024 マイナビART AWARD 最優秀賞
2023 上野芸友賞受賞
2023 やまなしメディア芸術アワード 入選
2021 第23 回「1_WALL」審査員奨励賞 田中義久選
2020 写真新世紀2020 佳作入選 オノデラユキ選
2017 HIKONE STUDENT ART AWARD ファイナリスト
小泉 立(会場構成・什器制作)
1993年神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部建築科卒業後、2017年~2023年PRINT AND BUILD、2024年~小泉アトリエ勤務。2022年からは事務所勤務の傍ら週末スタジオを主宰し、建築設計から家具・什器の制作、展覧会の会場構成・インストールなどを手掛ける。
ARTIST STATEMENT
神宮球場で感じる風と夕日は、私の精神を透き通ったものにしてくれる。
ここで個展をすることが決まったとき、真っ先に、私が好きな東京ヤクルトスワローズのことが思い浮かんだ。観戦中、いろんなところで目にする、あの「マイナビ」のイメージを思い出した。
だから、今回の個展はまず、スワローズのことを考えたいと思った。
「傘を振る応援はいつからできたのだろうか?」「いつから球場はあるのだろうか?」「ここは誰でも遊ぶことができるのだろうか?」。そうやって気になって調べてみると、この球場は戦後、GHQ(連合国軍総司令部)に接収され、「ステートサイド・パーク」と名付けられていた時期があったことを知った。それから、野球に思いを込めた人たちのたゆまぬ努力によって、球場での試合が再始動したことを知った。
昨年、バドミントンとビリヤードがはじめて日本に伝わったとされる、長崎の出島に行った。それから、スポーツは、どうやって後世へ継承されていくのか、どう変わっていくのか。そして、どんな形で人々とつながっているのか、そうしたあらゆるものとスポーツ、ひいては運動との関係性に迫りたいと思った。
運動には、世界と身体の2つが対立しては結ばれる場がある。
「GHQ占領下の球場」と「鎖国下の出島」。歴史上で異なる時期の出来事をこの時代に仮構し、遊び、運動に対立する事象を映像として前景化することで、今を生きるとは何か、そして私の身体が何に規定されているのか、どのように存在しているのかを捉えたい。